栗林六十景

栗林六十景とは1745年(延享二年)の文書『栗林荘記』に記載された園内の名所60のこと。『栗林荘記』とは、当時の高松藩主松平頼恭(よりたか)公の命で儒学者の中村文輔が編纂した書物で、園内の池、島などに名前を付け解説するもの。いわば公式解説書。

池 6  
潺湲池 潺湲とは水がさらさらと流れるさま
芙蓉沼 蓮池
北湖 北の池
涵翠池 翠を涵(ひた)す池
西湖

紫雲山沿いの細長い池

南湖 園の中心的池
渓澗 2  
玉澗 南湖から北湖に通じる水路
青渓 涵翠池と北湖の間にある流れ
隈潭 4  
西隈 西湖にある湾
東隈 南湖と北湖を繋ぐ水路にある湾
南隈 飛来峰のふもとにある湾
睡龍潭 西湖南端の淵
名有りの島 7  
楓嶼 南湖西寄りの島。カエデの木がある。
杜鵑 南湖東寄りの島。ツツジの刈込がある。
慈航 睡龍潭にある島
前嶼 北湖北側の島
後嶼 北湖南側の島
瑤島 涵翠池の島
天女嶋 南湖中央の島。天女の祠がある。

 

奇石峻崕 5

僊礒 南湖にある岩島。
飛猿巌 「サルが飛び出す岩山」の意?
会僊巌 「仙人に会う岩山」の意?
爛柯石壁 西湖の西岸にある岩屋
楓岸 南湖の南岸。カエデの木がある。
岡阜 4  
旄丘 迎春橋の西にある築山
冠松岡 南湖南岸東部。
鳳尾塢 ソテツの岡
脩竹岡 竹に囲まれた岡
原 2  
鹿鳴原

紫雲山に近い芝生の広場。実際に鹿が出たことも。

百花園 花園。現在は茶畑、梅林に。
山峯 4  
飛来峰 南湖の東にある園内の最高峰
芙蓉峰 北湖の東にあり、飛来峰に次ぐ高い築山
巾子峰 南湖の南岸にある築山
渚山 南湖の北にあるゆるい山
園 3  
梅林 現在の南梅林    
橘園 ミカン畑?現存しない   
百花園  花園    
橋 8  
偃月橋 南湖東部にある木の反り橋。園内最大の橋
迎春橋 南湖北東にある木橋
艮則梁 西隈のあたりにあった橋
津筏梁 慈航嶼にかかる折れ曲がり橋
断虹杠 朱の反り橋
石梁 欄干付きの石橋
到岸梁 慈航嶼から小普陀にいたる橋
桟道 飛猿厳のふもとに張り付くような木の路
亭舎 6(9)  
戛玉亭 現在の日暮亭のあたりにあった小さい茶屋
考槃亭  吹上付近にあった茶室。建物は現在の日暮亭に
留春閣 南湖北岸(現茶店があるあたり)にあった建物
講武シャ 藩政時代に弓など武術の鍛錬を行った
栖霞亭 脩然台にあった茶室
星斗館 現在の掬月亭(全体)
    掬月亭 掬月亭はもともとは星斗館の一部の名前だった
    初筵観 星斗館のお座敷
愛駿シャ 桜の馬場にあった物見台
 
カイノクチ(カイコウ) 現在の北門。この付近は竹が茂っていたことから中国の竹の名所にちなんで
赤壁 紫雲山のふもとにある岩が露出した場所。
小普陀 室町時代の様式の石組がある。
脩然台 旄丘の一番高い場所
回中 偃月橋の北にある、路が大きく曲がり木が茂った場所