栗林公園は川が作った?

なぜこの場所にあるのか?

かつてこの場所には川がありました(東香東川、と呼ばれています)。この川は底に土砂が堆積して氾濫しやすくなっていた上、町の中心を流れていて氾濫が被害に直結したので、1630年代に付け替えられたと考えられています。

ここにあった川は川の付け替えによってなくなり、後に残ったのは水を得やすい(←少し掘るだけで伏流水)低い土地でした。この土地を利用して作られたのが栗林公園です。

現在の栗林公園

紫雲山はなぜ良い借景か?

栗林公園の西にある紫雲山。紫雲山を含む岩瀬尾山塊。北、西の傾斜はゆるいのですが、東から南にかけて急傾斜になっています。これは川が削ったためです。

「栗林公園が紫雲山を借景に使うことができるのは、香東 川のおかげなのです。 」(香川大学長谷川研究室 讃岐ジオサイト)

 

そしてもちろん、赤壁の安山岩も、川による浸食で露出したものです。

栗林公園と紫雲山

痕跡を探そう

園内のいたるところに、白っぽい丸い石があります。特に、南湖の南の「巾子峰(きんしほう)」と、南湖の北の「渚山(しょざん)」ではたくさん見えます。この石は東香東川の河原の石です。池を掘るときに出た土を築山にしたので、そこにあった石が築山に残っているのです。

南湖の辺りは、香東川の付け替えの後、(田畑などに利用された時期が無く)直接庭になったと考えられます。田畑に利用されていれば石は取り除かれているはずだからです。

 

 

河原の痕跡である丸石

上空から見よう

栗林公園は東西約300m、南北約600mで、ほぼ同じ300m幅のまま少し曲がった形をしています。曲がっていると言えば川。タモリさんならきっとそう言うでしょう。栗林公園のこの形自体が川の痕跡の可能性もあります。

更によく見ると、公園の北に、南南東から北北西へ向かう細い道があり、栗林公園のカーブとつながるようにも見えます。

 

 

上空から見た栗林公園