芙蓉沼・群鴨池

北庭は明治以降改造されましたが、実は池の配置はほぼ変わっていません。芙蓉沼はハスの咲く池、群鴨池はカモのいる池。周辺は現在自然風味の強い庭になっています。

芙蓉沼(ふようしょう)

栗林六十景、栗林二十詠にも選ばれたハス池です。約1000本のハスがあります。江戸時代の絵図によると、現在より広い範囲に(群鴨池まで)ハスが広がっていたようです。

時過芙蓉沼 芙蓉一様開 斜陽短棹外 紅袖入」(栗林二十詠)

 

芙蓉沼の北端には永代橋、南端には石梁があります。

芙蓉沼

群鴨池(ぐんおうち)

かつて藩主がカモ猟を行った池で、猟の方法は、アヒルを囮にして細長い水路に鴨を引き入れ、水路の脇に隠れていた捕り手が網をかけるというもの。カモを誘い込む水路や、カモの様子を覗く場所が復元されています。

また、群鴨池の一部は花菖蒲園になっており、137種、約3750株の花菖蒲があります。

群鴨池のあずまや

石梁(せきりょう)

芙蓉沼の南端にある石橋で、栗林六十景にも選ばれています。名前は石橋を中国風に言ったものです。江戸時代の絵図にもある橋ですが、日本庭園には珍しく、欄干付きの石橋です。周囲のハス、ヤナギとあわせると、中国庭園のようにも見えます。

長さ6mの花崗岩の石材が4枚使われています。

 

「石梁ハ芙蓉ニ在リ。石欄彫工、見ルベシ」(『栗林荘記』)

 

石梁

潺湲池(せんかんち)

潺湲とはさらさらと水が流れる様子です。さらさらと流れる細長い「池」。浅い流れで、小石が流れに変化をつけています。西岸にはカエデがあり、紅葉スポットとなっています。

「池水清クシテ且ツ浅く、水中ノ石数フ可シ」(『栗林荘記』)

潺湲池

others

陰陽石

子孫繁栄を願った石で、江戸時代のものです。

永代橋そばの陰陽石

芝生広場

気候の良い時はこの広場で遊ぶ人があります。

瞰鴨閣

景物の少ない群鴨池で点景となる建物です。

北梅林

約80本の梅があり、2月には梅まつりが開かれます。


散策路

メインルートは不特定多数の利用前提で広い路になっています

擬木

芙蓉沼の東にあるあずまやの柱は実は木ではなく鋳造です。

擬木の柱

鴨引き堀

鴨猟をするための施設がありました。

鴨を引き込む堀

毘沙門天祠

栗林荘ができた当初から

毘沙門天が祀られていました。

毘沙門天の祠